消防士の僕 | 晴海22歳の闘病日記 ~死ぬまで生きた~

消防士の僕

実のところ
僕たち消防士の平均寿命は
一般的な平均寿命よりも
かなり短いのです。
僕は、それは僕たちが僕たちの命を
少しだけ削って要救助者の人たちに
分けているのだと信じています。

僕が生きるはずだった何十年かを
他の、何人もの誰かが生きてくれるんだったら
僕はちょっと幸せかもしれません。
消防をやっていてよかった。
辞めてしまった今でもそう思います。

僕は出来た人間ではないから、
本当は、辞めるのがとても辛かった。
入院はしたけれど、
すぐに元気になって、すぐに復帰できると
信じて疑っていませんでした。
辛くて、悲しくて、最後には腹が立ちました。

でもたぶん、僕は分けられるだけの命をもう
全部分けてしまっているのでしょう、
そう思うと納得がいきました。
ぼくが分け与えた命が充分に長いものであるよう
願わずにいられません。