カタギリ先輩 | 晴海22歳の闘病日記 ~死ぬまで生きた~

カタギリ先輩

前に少しだけ触れた先輩のことです。
よくお見舞いに来てくれるから、
これからの日記にも
たびたび書くと思うので
どんな人か、書いておきます。

職場では僕は年少ですから
先輩はたくさんいて、
みんな良い人ばかりなのですが、
中でも特に親しくしていただいていたのが
カタギリ先輩です。

こう言うと失礼かもしれないんですけど
同僚というより、友達に近いです。

僕の勤務先は比較的年齢層が高くて
一番若いのが僕、
その次に若いのがカタギリ先輩でした。
と言っても僕より7歳ほど年上です。
他に二十代の隊員はいません。

そんな中で、異例(だと思います)の隊長を
立派につとめていて
みんなをまとめてくれています。
最初は若造の癖になんて言われたり
色々と苦労をしたみたいです。

先輩は、普段は無口で、
話すときも方言をほとんど使わないし、
口調もぶっきらぼうです。
表情もそんなに豊かな方じゃない。
童顔で僕よりも年下に見えるのに
先輩のまわりの空間はいつも
独特の緊張感があるような感じがしました。

ちょうど僕が入隊したときに
先輩も隊長になって
二人ともいわば新人で、
それで仲良くなりました。
怖そうだと思っていたのに、
何かと気にかけてくれて
本当はすごく優しい人だと
他の先輩たちに言って回りたい気になりました。

もちろん仕事上のことで
こっぴどく叱られたこともあったけど
非番の日には一緒に遊びに行ったり、
僕たちはとても仲が良かったです。

僕が入院してからも、
本当にしょっちゅう
お見舞いに来てくれています。
あまりに律儀に毎週来るので、僕は、
そんなに来なくてもいいと言ったことがあります。
先輩の答えを今も覚えています。

「俺は美人ナースを眺めに来てるんだ」

それを聞いて僕は呆れてしまったのですが、
(あんた奥さんいるだろう?って
突っ込みまで入れてしまいました)
後で知った話では、
そのとき既に先輩は僕の家族から
僕の病状を全部聞いていたそうです。


なにかもっと色々書くことは
あると思うんですが
長くなりすぎるのでこれで終わりです。

もう先輩と仕事ができないのは残念ですけど
死ぬまで友達でいてくれたら
嬉しいと思います。
このブログのパスを渡して
締めくくってもらうのをお願いしようと
密かに思っています。